GOOD FOR LIFE

グッドフォーライフ

株式会社OneLoveCompany代表の河口佳菜子さんは、GOOD FOR LIFEという金沢発のプラントベース(植物由来)のお菓子をお届けしているブランドの創設者です。前職はアロマセラピストをされており、お菓子作りとは無縁の生活を送っていました。

一から始めたお菓子作りは失敗の連続。それでも諦めなかった河口さんの心にはどのような想いがあったのでしょうか。プラントベースにこだわり、挑戦しつづけている河口さんにお話をお聞きしました。

ーお菓子作りを趣味としていたわけでもなく、経験がない中で、どうしてお菓子を作ることになったのでしょうか。

河口さん:きっかけは夫の「お菓子を作ってよ」という一言でした。夫は金沢市でコーヒースタンド “GOOD4LIFE36CAFE”を営んでおり、そこで提供しているコーヒーに合うお菓子を作ってほしいとお願いされました。

ー不安はなかったのでしょうか?

河口さん:不安とかは特になく、「はい」と返事をしていました。「作ってよ」と言われたので、作れる方法を探そうと思って。お菓子作りの知識も当時はなかったのですが、その時には子どもを出産していたこともあり、作るのであれば素材にはこだわりたいと思っていました。

ーその時からすでにプラントベースのお菓子にしようと考えていたのですか?

河口さん:当時はプラントベースにこだわってなかったです。卵とかも必要であれば使っていて。作り続ける中で、途中から完全にプラントベースに切り替えました。

ー途中から変えたということは、何かきっかけがあるのでしょうか?

河口さん:はい、ある時コーヒースタンドに、ドーナツを食べに来てくれた中学生の子がいて、「ふわふわなドーナツを初めて食べた!」と言ってくれたのです。実はその子はアレルギーを持っていて、お店で売られているようなドーナツを食べたことなかったのです。それが私にとっては衝撃的で。

ーどのようなことが衝撃的だったのでしょうか?

河口さん:これまで私の家族や友人など、アレルギーを持っている子が身近にいませんでした。自分たちは当たり前のように今までドーナツやケーキを食べていたけれども、食べたいけど食べれない子がいるというのを初めて目の当たりにしました。

みんなが食べているものを一緒に食べたかったんだなと知って、それから「みんなで一緒に美味しく食べられる」お菓子を目指したいと思い、完全にプラントベースにしようと思いました。これからもアレルギーがある子が来た時に、今のままでは食べられるお菓子が少ないなと思って。

ープラントベースのお菓子が1つ完成するまでにどのくらい時間を費やしたのでしょうか。

河口さん:当時はまだプラントベースのお菓子が少なく、参考になるレシピが全くありませんでした。そのためずっと作っては失敗しての繰り返しで、1つのお菓子が完成するまでに200回も試作することがありました。期間でいうと3年ぐらいは作っては失敗してというのを繰り返していたと思います。

ー失敗の連続だと途中で心が折れそうになったりしそうですが、それでも挑戦をし続けられたのはどうしてでしょうか。

河口さん:「おいしいものを提供したい」という強い想いはありました。特に当時は植物性のお菓子と言うと、美味しくないイメージや物足りなさといったネガティブなイメージが先行していたこともあり、私はそのイメージをなんとしてでも覆したいという想いがありました。

また、中学生の子との出会いがあったから、ここまでやり続けることができたのだと思います。

ー今ではスタッフさんも雇われており、毎朝仕事に取り掛かる前にスタッフさんとしていることがあるとお聞きしました。どういうことをされているのでしょうか。

河口さん:毎日朝礼をしているのですが、その時に“クリアリング”というのをしています。

ー具体的にどういうことをされているのですか?

河口さん:クリアリングというのは、心の余白をあけるような感じで、自分の内側にあるものを言葉で外に出すようにしています。スタッフさんもお母さんである方が多いので、朝バタバタして職場に来られるのですが、その時頭の中にあること、何でもいいから口に出してもらいます。周りはそれを聞いて何か意見を言うというようなことはしません。自分がもっているものを一旦外に出して、心に余白をあけ、お菓子作りに集中してもらっています。

ークリアリングの他に、河口さんが大切にされている考え方とかありますか?

河口さん:どういう気持ちでお菓子作りと向き合うかを大切にしています。もともとアロマセラピストをしていたと最初に話したのですが、アロマセラピストは手を使います。それが相手にのっかるというか、気持ちが入る。だからどういう気持ちでお客さんと向き合うかというのを大切にしていました。

お菓子作りも同じ手作業。どういう気持ちを込めて作るかによって、同じお菓子でも全く違うものが出来上がります。

ー気持ちを込めて、丁寧に作っている河口さんですが、最後に、今後どのような会社にしていきたいですか?

河口さん:お菓子を作っている会社ですが、「心」も大切にしたいと考えています。スタッフもそうなのですが、お菓子を買ってくれる方も含め、みんなの「心の健康」が一番大事だと思っています。

ーどうして「心の健康」なのでしょうか?

河口さん:実は私自身、お菓子作りを始める前にオーガニックには関心があり、勉強していました。そのため、子どもの健康も考えて「あれは食べたらだめだよ、身体に毒だよ」と言っていた時がありました。子どもたちが食べるのを楽しみにしていたものを奪うようなことをしていて・・・。でも、「身体に毒だよ」という声かけが一番毒じゃないかなと、自分が子どもの立場だったら嫌だな、窮屈だなって気づいたんです。

ー今の河口さんからは想像ができないですが、そんなことがあったのですね。

そうなんです。そういった経験から、どんなものを食べようと心が元気なのが一番であり、みんなで楽しく、わくわくしたりするのが大事なんじゃないかって思うようになりました。もちろん、身体は食べたもので作られることも理解しています。でもそのような経験を踏まえて、GOOD FOR LIFEは「心」も大切したいと思っています。そのため、これからもスタッフと一緒に皆様にお菓子を食べるワクワクを届けたいと思います。

(おわり)