
之だしnodasi
ノダシ
長年“おだしの店”としてプロの厨房で使われる出汁を作っている、「中やひち八」が、安心・安全な出汁を一般家庭でも使えるようにと製品化したブランドが“之だしnodashi”です。
2020年からネット販売を開始。赤ちゃんから高齢者、食事制限が必要な方などすべての人に、美味しく安心な味を届けたいという強い思いから、無添加にこだわって作り続けているブランドです。
使っているのは鰹と昆布だけ、という潔さで、日本らしい出汁のうま味が味わえる之だしの出汁。究極にシンプルで一見簡単そうに思えるつくりの出汁ですが、その形になるまでには長い時間の試行錯誤がありました。
開発に関わった副社長の中川さんと、丸岡さんにお話を伺いました。

― 一般の方も購入できる、こちらの製品の開発に至ったのには、どんな経緯があったのでしょうか?
中川さん:はい、私たちは元々、レストランなどの厨房用に業務用の出汁を作らせていただいていたり、お料理のアドバイスをしたりとプロの料理人の方と一緒にお仕事させていただいています。その中で、あるとき産婦人科の病院の厨房の業務を請け負うことになりまして。入院患者さんのお食事を、その業務用の出汁を使って作らせていただいてたんですね。
中川さん:はい、私たちは元々、レストランなどの厨房用に業務用の出汁を作らせていただいていたり、お料理のアドバイスをしたりとプロの料理人の方と一緒にお仕事させていただいています。その中で、あるとき産婦人科の病院の厨房の業務を請け負うことになりまして。入院患者さんのお食事を、その業務用の出汁を使って作らせていただいてたんですね。

―なるほど。入院施設がついているような病院ということですね。
丸岡さん:そうです。個人経営の規模の病院なんですが、そちらの院長先生が「食」を重視していらして、入院される患者さんのお食事にもこだわっていらっしゃったんです。
丸岡さん:そうです。個人経営の規模の病院なんですが、そちらの院長先生が「食」を重視していらして、入院される患者さんのお食事にもこだわっていらっしゃったんです。

―医師の方が食を重視してくださっていると、心強いと思います。
丸岡さん:そうなんです。院長先生は、「最近不妊治療をされている方もとても多いけれど、やはり現代の人は添加物の多い食品を食べていることが多くて、それが不妊に影響していることもあるので、不妊治療も大事だけれど、普段の食にも意識を向けて体質改善していってもらいたい」、という風に考えていらしたんですね。
丸岡さん:そうなんです。院長先生は、「最近不妊治療をされている方もとても多いけれど、やはり現代の人は添加物の多い食品を食べていることが多くて、それが不妊に影響していることもあるので、不妊治療も大事だけれど、普段の食にも意識を向けて体質改善していってもらいたい」、という風に考えていらしたんですね。

―そこで中やひち八さんに依頼がきたんですね。
中川さん:はい。うちの出汁は無添加で、本当に鰹と昆布だけでできているので安心だということで、利用していただきました。入院中にその食事を食べた方が、退院後にも「うちでも使いたいわ」というお声をいただいたりもしたのですが、その時点では業務用のものしかなく、価格も高いので続けていただくことがなかなか難しくて……。
中川さん:はい。うちの出汁は無添加で、本当に鰹と昆布だけでできているので安心だということで、利用していただきました。入院中にその食事を食べた方が、退院後にも「うちでも使いたいわ」というお声をいただいたりもしたのですが、その時点では業務用のものしかなく、価格も高いので続けていただくことがなかなか難しくて……。

―御社は元々業務用を作っていらしたので、それは仕方ないですよね。
丸岡さん:そんなこともあって、レストランや病院だけでなく、この出汁が一般の家庭の中で使っていただけるようになれば、赤ちゃんの離乳食にも使えますし、お母さんの母乳などにも何も心配ない食べものが作れる、と思いまして、一般向けのものを作って販売してみよう、ということになったんです。
丸岡さん:そんなこともあって、レストランや病院だけでなく、この出汁が一般の家庭の中で使っていただけるようになれば、赤ちゃんの離乳食にも使えますし、お母さんの母乳などにも何も心配ない食べものが作れる、と思いまして、一般向けのものを作って販売してみよう、ということになったんです。

―それまでの業務用のものがあるので、スムーズに作れるようにも思ってしまいますが。
中川さん:それが、最終的に今の形になるまでには、結構時間もかかり苦労しました。我が社の社長が良い意味でこだわりがとても強く(笑)、味も、安全性も含めて妥協しなかったので、完成するまでに3年くらいかかりました。
中川さん:それが、最終的に今の形になるまでには、結構時間もかかり苦労しました。我が社の社長が良い意味でこだわりがとても強く(笑)、味も、安全性も含めて妥協しなかったので、完成するまでに3年くらいかかりました。

―3年も! どんな点が難しかったのでしょうか?
丸岡さん:まず細かい粉状にしたかったのですが、通常の鰹を粉砕する方法だと、どうしてもちっちゃな粒などが残ってしまいます。でもうちの出汁は、実際に料理人が鰹と昆布で取る味に極力近づけるために、また風味も損なわず、栄養素の破壊も少なくするためになめらかな粉状にしたくて、その状態にするのが難しかったんです。
丸岡さん:まず細かい粉状にしたかったのですが、通常の鰹を粉砕する方法だと、どうしてもちっちゃな粒などが残ってしまいます。でもうちの出汁は、実際に料理人が鰹と昆布で取る味に極力近づけるために、また風味も損なわず、栄養素の破壊も少なくするためになめらかな粉状にしたくて、その状態にするのが難しかったんです。

中川さん:また作る過程で熱を加えると、素材の水分や栄養素が飛んでしまうので、熱を加えずに乾燥させる方法を試行錯誤し、社長が独自で冷たくしてから乾燥させるという方法を編み出しまして。“冷煎製法”という名前をつけたんです。

―やはり望んでいる味のレベルが高いからなんでしょうね。
中川さん:素材の鰹と昆布の比率を決めるところも難しかったですし、初めに頼んで作ってもらったところの粉砕の仕方では、こちらが望んでいるような細かさにはなっていなくて。味も美味しいは美味しいのですが、粉の状態がどうしても納得できなくて。
中川さん:素材の鰹と昆布の比率を決めるところも難しかったですし、初めに頼んで作ってもらったところの粉砕の仕方では、こちらが望んでいるような細かさにはなっていなくて。味も美味しいは美味しいのですが、粉の状態がどうしても納得できなくて。

丸岡さん:パックの袋の素材の種類も悩みました。味はしっかり出てもらわないとあかんし、でもそのために素材の目が粗いと、粉がとても細かいから外に出てしまうし。工場さんからも「大変です」と言われています。またせっかく中身が無添加ですから、袋も無添加素材で漂白もしていないもので、といった条件でこだわりまして、試作を繰り返してようやく出来上がったというところなんです。

―本当にこだわりと愛情が詰まっている製品なんですね。中川さん:もっと突き詰めると、漢方薬にあるような顆粒状にしたかったんです。スティックに入っていて、どこにでも持っていけるような。ですが調べてみると、やっぱり何かしら別のものを足さないと、顆粒状にできないんですね。
丸岡さん:そうなんです、無添加のままでめいっぱい細かくできるのが、今の状態で。実は一度フリーズドライもチャレンジしてみたんです。ですが、それだと一度液体にして、その後フリーズドライにするのですが、莫大な量の出汁がほんのちょびっとになってしまうんですね(笑)。
中川さん:味も全然ダメでした(笑)。
丸岡さん:そうなんです、無添加のままでめいっぱい細かくできるのが、今の状態で。実は一度フリーズドライもチャレンジしてみたんです。ですが、それだと一度液体にして、その後フリーズドライにするのですが、莫大な量の出汁がほんのちょびっとになってしまうんですね(笑)。
中川さん:味も全然ダメでした(笑)。

―(笑)。それでは、完成するまでに心が折れそうな時があったのでは。
中川さん:そうですね、社長は料理のことに関しては妥協しないので、こだわりが強すぎて、このままではお金が続きません! という瞬間はありました。もうお願いやから、と(笑)。でも社長がとてもポジティブ志向なので、あきらめずについていった感じです。
丸岡さん:それだけ苦労して生み出したものなので、全員が中身を愛しちゃっているので、大安売りなどをしたいとは思わないんです。もう可愛すぎて、本当に可愛がってくれる人、良さをわかってくださる人のところに行ってもらいたいと思って。
中川さん:そうですね、社長は料理のことに関しては妥協しないので、こだわりが強すぎて、このままではお金が続きません! という瞬間はありました。もうお願いやから、と(笑)。でも社長がとてもポジティブ志向なので、あきらめずについていった感じです。
丸岡さん:それだけ苦労して生み出したものなので、全員が中身を愛しちゃっているので、大安売りなどをしたいとは思わないんです。もう可愛すぎて、本当に可愛がってくれる人、良さをわかってくださる人のところに行ってもらいたいと思って。

―その苦労のかいのある、香りやうま味がしっかり感じられます。
中川さん:ありがとうございます。現在の製品は、料理人さんが実際にひく出汁の味にかなり近づけることができていると思いますし、この出汁をひく作業ってとても重労働で時間もかかることなので、少しでもその負担を減らしたい、手助けになれば、という思いも、開発のひとつのきっかけなんです。
中川さん:ありがとうございます。現在の製品は、料理人さんが実際にひく出汁の味にかなり近づけることができていると思いますし、この出汁をひく作業ってとても重労働で時間もかかることなので、少しでもその負担を減らしたい、手助けになれば、という思いも、開発のひとつのきっかけなんです。

丸岡さん:ホテルの和食レストランなどで試してもらったら、「他の出汁パックと全然味が違う!」と喜んでいただけまして、現在もあちこちのレストランなどでも利用していただいてます。
中川さん:之だしはすべての方に、美味しくて安心で、安全なものを、手軽な形で食べてほしいという思いから生まれましたが、さらに次世代のいのちに味を伝える、いのちをつなげていくために、という思いも詰まっています。大人だけでなく、小さいお子さんや若い人にこそたくさん食べていただきたいと思っています。
中川さん:之だしはすべての方に、美味しくて安心で、安全なものを、手軽な形で食べてほしいという思いから生まれましたが、さらに次世代のいのちに味を伝える、いのちをつなげていくために、という思いも詰まっています。大人だけでなく、小さいお子さんや若い人にこそたくさん食べていただきたいと思っています。

(おわり)
今回取材・執筆をしたのはこの方
ライター 斎藤 真知子
美容、健康、エンタメネタ中心のライター&編集者。編集プロダクションと美容雑誌編集部を経てフリーランスに。かれこれウン10年美容業界の片隅でお仕事中。肌データは、アトピー持ちの(でも現在はほぼ出ない)基本乾燥肌。……なのに寄る年波で部分的な毛穴の開きやテカリ、たるみも気になる。スペインとお肉とオヤジ俳優好き。
美容、健康、エンタメネタ中心のライター&編集者。編集プロダクションと美容雑誌編集部を経てフリーランスに。かれこれウン10年美容業界の片隅でお仕事中。肌データは、アトピー持ちの(でも現在はほぼ出ない)基本乾燥肌。……なのに寄る年波で部分的な毛穴の開きやテカリ、たるみも気になる。スペインとお肉とオヤジ俳優好き。